【最近の大陸での人権・規制状況】中国維権動態2016年4月10日号(中国維権網)より。翻訳:麻生晴一郎氏

投稿日 :2016年4月24日

中国維権動態2016年4月10日号(中国維権網)より。
翻訳:麻生晴一郎氏

◎湖南省邵陽市城歩ミャオ族自治県出身で長沙市に住む公民・劉俊君は、wechatの仲間内の投稿で違法ワクチン事件に関する内容を書き込んだため、3月30日、城歩の警察4人(うち国保1、2人、ネット安全監察局員1人、副局長1人)および長沙の国保2人が彼を強制的に城歩に連行した。6人はみな私服で身分証の掲示もなかった。劉俊君は城歩ミャオ族自治県拘留所において「公共秩序の故意かく乱」容疑で7日間の行政拘留処分を受け、実際には6日目の4月5日に釈放された。

◎4月5日、維権網に入った情報では、2015年6月に山東省濰坊市で冤罪の疑いのある汚職事件の被告に声援を送って警察に拘束されて10ヵ月になる北京の人権擁護活動家・翟岩民が最近天津市第二看守所で拘束されていることがわかった。翟岩民の妻・劉二敏が1000元を差し入れした際、その領収書に天津市第二看守所の印章があったもの。翟岩民は2015年6月15日に北京から濰坊に移送され、さらに濰坊から天津に移送されたことになる。10ヵ月近くが経つが、家族はいまだ警察からの逮捕通知書を受け取っていない。

◎2015年7月25日、湖北省の人権擁護活動家・尹旭安は耿彩文、王芳ら十数人のネット友と、武漢市黄鶴楼の前で、「超級低俗屠夫」の筆名でインターネットを通じて人権擁護活動を展開し同年5月に拘束された呉淦を応援するシャツを着てパフォーマンスを行い、その様子を撮影してネット上に流した後、7月28日夜に自宅から警察によって連行された。後に尹旭安は「騒動挑発罪」で逮捕された。4月6日に維権網が調べたところでは、8ヵ月余りが経つが、彼の弁護士はいまだ1度も彼に接見することができないでいる。

◎江蘇省無錫市北塘の権利擁護公民・周小鳳は4月7日、北京久敬荘救済センターで消息を絶っていたが、翌8日、彼女の夫・黄旭峰が得た情報によれば、無錫市駐北京事務所が雇った北京の闇タクシーに拉致されて無錫に戻され、無錫市公安局恵山分局藕塘派出所に連行された。午後、恵山分局は10日間の行政拘留の処分を下し、無錫市拘留所で執行された。

◎4月7日、湖北省潜江市の人権活動家が維権網に伝えた情報では、潜江市政府駐北京事務所の張志成主任が率いる陳情妨害班は、全人代閉会後、北京で陳情者狩りを行なった。そのうち土地を失った農民である張玉環、彭其玉、楊漢珍の3人は陳情妨害班に拉致された後、合わせて9000人民元あまりを奪われ、携帯電話は叩き潰された上で、北京市から100キロ離れた荒野に放り置かれた。

◎黄燕の「公務執行妨害」容疑の案件は広州の劉正清弁護士が担当しているが、家族の委託を受けて北京莫少平弁護士事務所に所属する尚宝軍弁護士が代理弁護士として、4月7日午前に広東省佛山市順徳看守所で黄燕と初めて接見した。彼女は無罪を主張している。看守所は身体検査で彼女の患う癌が転移していることを認め、血糖値は180~190で、きわめて危ない状態にある。看守所では有効な治療ができず、家族は看守所に彼女の身体検査の報告を求めたが、拒絶されている。

◎4月8日、維権網が湖南大学、中南大学、湖南師範大学の在校生から聞いた情報では、2016年前学期開始以来、湖南省長沙市公安局ネット警察支隊は長沙市の大学でネット通報員を大々的に招へいしている。待遇は毎月600~1200元で、成績がずば抜けた者には奨励もあるという。

◎人権擁護活動を行なう住職として著名な徐志強(聖観法師)および市民活動を行なう居士・黄芳梅(黄静怡)が「国家政権転覆扇動罪」容疑で捕まってから1年10ヵ月余り後、4月8日に武漢市中級法院11号法廷で判決が下された。徐志強は懲役4年、政治権利剥奪2年、黄芳梅は懲役2年、政治権利剥奪1年。

◎人権擁護活動家の王黙、謝豊夏(謝文飛)の「国家政権転覆扇動罪」容疑の第1審裁判の判決が4月8日に広州中級法院より下された。2人はともに懲役4年6ヵ月、政治権利剥奪3年の判決だった。王黙と謝豊夏はすでに勾留されて1年半が経っており、刑期はそれぞれ2019年4月2日、2019年3月1日までとなる。

◎人権擁護活動家の張栄平(張聖雨)、梁勤輝の「国家政権転覆扇動罪」容疑の第1審裁判の判決が4月8日に広州中級法院より下された。裁判所は2人の「国家政権転覆扇動罪」を認め、張栄平、梁勤輝にそれぞれ4年、1年6ヵ月の有期刑の判決を下した。2人はともに湖南省出身で、インターネットで批判活動を行なうほか、セントラル占領の支持など社会活動にも積極的に参加していた。

◎陳啓棠(天理)の「国家政権転覆扇動罪」容疑の裁判開始は開始延長期限の3ヵ月から4月8日でさらに1ヵ月が経ったままだ。2015年12月8日、佛山市検察院が同市中級法院に起訴。同市中級法院は審理開始の3ヵ月の延長を決め広東省高級人民法院の批准を得たが、期限の3月8日を過ぎて1ヵ月経っても音沙汰がない。陳啓棠が拘束されたのは2014年11月25日であり、すでに1年4ヵ月あまりが経っている。