5月30日 7時49分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140530/k10014842081000.html
中国で、民主化を求める学生らの運動が武力で鎮圧された1989年の天安門事件から25年になるのを前に、アメリカ議会で事件の追悼式典が行われ、下院の指導者が、事件を忘れるべきではないと訴えました。
この式典は29日、連邦議会で、議会下院のベイナー議長や民主党のペロシ院内総務、それに、アメリカ在住の中国人の活動家らが出席して行われ、事件の犠牲者に黙とうをささげました。
ベイナー議長は式典で「民主主義の本当の敵は、独裁政治ではなく無関心だ。思い出すことが最大の力になる」と述べました。
続いて民主党のペロシ院内総務が「中国などでは天安門事件の英雄たちがたぐいまれな勇気をもって闘いを続けている。天安門の魂は生き続けており、中国の指導者はそれを知っているため、恐れている」と述べ、事件を忘れるべきではないと訴えました。
また、当時の学生指導者のひとりで事件のあと国外に逃れ、現在、アメリカに住む柴玲氏は「天安門事件後の25年間で中国は政治改革を経験しない経済独裁政権となった」と述べ、共産党政権を批判しました。
天安門事件から25年になるのにあわせてアメリカ議会下院は、中国政府に事件に関する情報の検閲をやめるよう求めると共に、中国国内でいまなお人権侵害が続いているとする決議を採択し、中国政府の対応を非難しています。