※日本の中国研究者らが発表した公開書簡と、その報道です。
徐友漁氏らの拘留について-我々の憂慮と願い
中国の良識ある皆様へ
今般、我々の良き友人である徐友漁(Xu Youyu)氏をはじめ、浦志強(Pu Zhiqiang)、郝建(Hao Jian)、胡石根(Hu Shigen)、劉荻(Liu Di),姚文田(Yao Wentian)といった中国の良識ある方々との連絡がつかなくなっていることにつき、我々は事態を注視するとともに、深く憂慮しています。
徐友漁氏らは、1989年の不幸な事件によって中国社会が負った深い心的外傷を癒し、中国人が再び団結して自らの国家と社会に誇りを持てるようにするため、理性的かつ平和的な知的営みを続けていたのであり、このような良心と愛国心に基づく善良な試みによって彼らの身体や生命が危険に曝されるようなことのないよう、隣人として、友人として、心から祈念しています。
我々は、東アジア諸国に暮らす人々が、国家の政治体制やイデオロギーの違いを超えて、物質的豊かさだけでなく、精神的な自由、尊厳、法の下の平等を享受する権利を持つべきものと確信しています。この点、中国と隣国の人々のあいだに本質的な違いはなく、また、我々には特定の国家や地域の混乱を助長する意図は全くありません。我々はただ、価値観を共有しようとする友人として、徐友漁氏ら中国の良識ある人々が中国社会のさらなる発展と東アジア地域の平和・共存のため、引き続き大いなる貢献を行いうることを希求するのみであり、この真摯な願いと祈りを、中国の良識ある人々と共有することを切に望むものです。
2014年5月13日
発起人代表
鈴木 賢 (北海道大学法学研究科教授)
遠藤 乾 (北海道大学公共政策大学院教授)
阿古 智子 (東京大学総合文化研究科准教授)
※5月12日までに東アジアの市民ら計161人が本公開書簡に支持を表明しました。下記PDFファイルをご覧ください。
「徐友漁氏らの拘留について-我々の憂慮と願い」 PDFファイル
日本語
https://www.tiananmen1989.net/pdf/JP_STATEMENT.pdf
中国語 繁体字
https://www.tiananmen1989.net/pdf/TradChi_STATEMENT.pdf
中国語 簡体字
https://www.tiananmen1989.net/pdf/SimpleChi_STATEMENT.pdf
英語
https://www.tiananmen1989.net/pdf/ENG_STATEMENT.pdf
韓国語
https://www.tiananmen1989.net/pdf/Korean_Statement.pdf
報道
中国で弁護士など拘束 日本の研究者が深い憂慮 NHKニュース
5月13日 16時22分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140513/k10014417281000.html
中国の北京で、25年前の天安門事件の真相究明などを訴える集会に参加した学者や弁護士らが相次いで公安当局に拘束されたことを受け、日本の中国研究者らが深い憂慮を示す公開書簡を発表し、国内外で支援の動きが広がっています。
中国で民主化を求める学生らの運動が武力で鎮圧された天安門事件から来月で25年となるのを前に、北京では今月3日、中国政府に対し、事件の真相究明などを訴える集会が開かれました。
この集会には、改革派知識人の徐友漁氏や人権派弁護士の浦志強氏などが参加しましたが、徐氏など5人はそのあと公安当局に拘束されました。
これを受けて、ことし2月に徐氏を日本に招へいした北海道大学の教授など日本の中国研究者らが13日、事態を深く憂慮しているとして公開書簡を発表しました。
書簡は、徐氏らについて「天安門事件によって中国社会が負った深い心の傷を癒やし、中国人が再び国家と社会に誇りを持てるよう、理性的で平和的な活動を続けてきた。彼らの身体や生命が危険にさらされないよう祈る」としています。
今回の事態を巡っては、アメリカ国務省が「天安門事件について、平和的に話し合う会合に参加しただけで拘束されたことを深く懸念している」として、速やかな釈放を求めているほか、中国国内の弁護士らおよそ100人もインターネット上で抗議の声明を出すなど、国内外で支援の動きが広がっています。