中国、改革派の記者拘留 天安門事件25年へ統制強化か 朝日新聞
2014年5月8日18時03分
http://www.asahi.com/articles/ASG5852G7G58UHBI016.html
中国国営新華社通信は8日、北京市公安局が女性ジャーナリストの高瑜氏(70)を海外に不法に国家秘密を提供した疑いで刑事拘留したと伝えた。高氏は国内で共産党に批判的な言論を続けた女性記者。天安門事件から25年の節目を来月に控え、言論統制の一環との見方も出ている。
新華社によると、高氏は昨年6月、入手した党の機密文書を電子データ化して海外のサイト運営幹部に送った疑い。文書の内容は明示していないが、時期などから、党が大学に対し、言論の自由や民主制度などについて学生に語ることを禁じた「9号文件」を指しているとみられる。
高氏は国営通信社の中国新聞社元記者で、1989年6月の天安門事件につながった民主化要求運動に参加。94年にも香港誌に機密情報を提供したとして国家機密漏洩(ろうえい)罪で懲役6年の実刑判決を受けた。出所後もツイッターや海外の中国語サイトなどを通じ、党内の腐敗や権力闘争などに関する独自の情報を発信していた。(北京=林望)
記者、出版社社長…相次ぐ中国の言論弾圧 天安門事件25年を前に MSN産経ニュース
2014.5.9 00:12
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140509/chn14050900120001-n1.htm
【北京=矢板明夫】中国で知識人への締め付けが強まっている。改革派女性ジャーナリスト、高瑜氏(70)が8日までに当局に拘束されたほか、香港の民主派系出版社の経営者が7日、広東省の裁判所で懲役10年の判決を受けた。民主化運動を弾圧した天安門事件から来月で25年となるのを前に、北京の人権活動家の間で懸念が広がっている。
国営新華社通信によると、高氏の容疑は国家機密漏洩(ろうえい)。昨年6月、知人から共産党中央の機密文書を入手し、国外のウェブサイトに提供した疑いが持たれている。具体的な機密文書の内容は明らかにされていないが、関係者によると、党中央がイデオロギー工作の強化を指示した文章だという。新華社は、高氏は容疑を認め、「国家の利益を脅かした」として深い反省の意を示していると伝えた。
しかし、指摘された文章の内容はウェブサイトで公表される前に米メディアにすでに報じられている。これまで2度投獄された高氏は常に当局の監視下に置かれており、「機密情報は入手できないはずだ」と、当局の発表内容を疑問視する知識人もいる。
また、8日付の香港紙、明報などによると、広東省深●(=土へんに川)市中級人民法院(地裁)は7日、香港の改革派出版社、晨鐘書局の経営者である姚文田氏に対し、密輸罪で懲役10年の有罪判決を言い渡した。
昨年10月に拘束された姚氏は別の1人と化学製品を持ち込み、約75万元(約1200万円)を脱税したとされる。香港紙などは反体制活動家、余傑氏が書いた習近平国家主席を批判する本「中国のゴッドファーザー」を香港で出版しようとしたことが拘束の理由だと伝えている。
中国では6日にも、著名な人権派弁護士、浦志強氏が拘束されたばかり。