中国維権動態2016年5月1日号（中国維権網）より。
翻訳：麻生晴一郎

◎4月25日、李方平ら全国102名の弁護士が「馮延強弁護士に対する迫害を停止し法にもとづいて彼の弁護士業務の権益を保障することに関する呼びかけ」に共同で署名し、山東省済南司法局に対して、馮延強弁護士に対する迫害をやめ、彼の弁護士業務を保障することを要求した。馮延強弁護士は強制立ち退きなど政治的に敏感な案件を手がけてきたために脅迫を受け、違法な形で弁護士営業証を没収されている。同呼びかけは引き続き署名を続けていく。

◎4月25日午前9時、吉林省四平市中級法院で郭洪偉と母親の肖薀苓に対する政府恐喝および騒動挑発罪の２審判決が言い渡された。郭洪偉は2005年に公金流用罪で捕まり、2009年に出所してから冤罪を晴らすべく母親とともに陳情を繰り返し行なった。この日は市民代表として北京の季新華、遼寧の張関庫、張振敏、祝忠孝、吉林の閻春鳳、鄭偉、徐平平らが法院の入口に駆け付け、2人に声援を送った。同法院は2人をそれぞれ13年、6年の有期刑とした原判決を支持した。

◎4月26日に入った情報によると、著名な人権擁護活動家・郭飛雄（楊茂東）の健康状態が悪化し、口から出血し、歩行もままならず、生命が危ぶまれている。維権網は国際社会および各人権組織に対し郭飛雄の運命に緊急的に関心を寄せることを呼びかけるとともに、広東省の監獄関係者に対して最も基本的な人道主義の原則にもとづいて直ちに郭飛雄を治療可能な病院に移送することを強く要求する。胡佳らも広東省司法庁および監獄管理局宛てに「郭飛雄を直ちに診断治療させることに関する緊急呼びかけ書」を送っている。

◎吉林省吉林市の陳情者・田利が看守所に拘留されてから4月26日で33日間になる。田利は地元の医薬会社会長の不正と社員への権利侵害を訴えてたびたび陳情を行なったが、3月23日に北京で中央の指導者に手紙を送った後、尋問を受け、馬家楼（黒監獄の所在地）で以前の交通事故による怪我を治療するなどと言葉巧みに騙されて吉林市看守所に連行された。当初は「騒動挑発罪」容疑であったが、検察院が逮捕を許可した際に罪名が「恐喝脅迫罪」に切り替わっている。

◎4月26日、政府の土地流用を訴える娘を支持して北京で陳情を繰り返し騒動挑発罪に問われた77歳の女性・王金娣の裁判が江蘇省無錫市滨湖区法院で始まった。前日、人権活動家の丁紅芬と程茂娟は5人でインターネットにより裁判傍聴の許可を得ていたが、警察は彼女たちに傍聴に行かせまいと恐怖をもって脅そうと企み、当日2人を警察に呼び出した。

◎4月28日に維権網に入った情報では、人権擁護者の朱承志が反右派闘争で迫害された林昭の墓参りをしようとして蘇州で連行され、失踪状態になった。人権活動家の賈榀は同日朝９時過ぎに列車で南京から蘇州に向かったが、12時40分頃に蘇州駅に着くと朱承志にばったり会った。2人が話をしていると、3人の身分不明人物が割って入り、朱承志を連れ去ったという。

◎4月28日正午、安徽省合肥市の著名な異見人士・沈良慶が現地の警察に連行され、失踪状態になっている。人権活動家の王譯女史によると、沈良慶は無錫市を訪れて病気の彼女を見舞う約束をしていたが、彼女は薬を飲んでから携帯をマナーモードにしたまま眠りに入った。沈良慶は彼女に電話を掛けたが出ないので、代わりに杜延林に電話をし、蕪湖派出所の黄所長および４、5人に手を縛られて連行されたと語っている。

◎4月29日夜11時、人権派弁護士の劉士輝が上海に到着して1時間も経たずに身分不明者によって拉致された。その場に居合わせた彼の友人が質問したが、その友人もまた脅しを受けた。劉士輝が連行されてエレベーターを降りる際に殴打される音をその友人は聞いている。それからしばらく劉士輝は連絡不能の失踪状態になり、やがて深圳に送り返された。

◎4月30日夜、湖南省懐化市の旅館にいた人権派弁護士の羅茜と托口水力発電所立ち退き移民の代表者の李松秀ら3人が懐化市の派出所に違法な形で強制連行された。托口水力発電所は香港で上場する中国電力投資集団公司傘下の五凌電力が洞庭湖に注ぐ川である沅水の流域に建設した水力発電所の１つで、強制的な立ち退きがもとで湖南・貴州両省にまたがる４県・市の移民との間で長期的な抗争が続いている。

◎４月30日夜、湖南省懐化市に住む民間学者・人権活動家で独立中文ペンクラブ会員の黎建君が国保（国内安全保衛）により自宅から連行された。連行先は不明で、国保は彼の家族に対して彼を連行する理由を述べておらず、連行してしばらく経つが、いかなる法律的手続きも経ていない。最近、黎建君は学校に入った子供の学業費用を捻出しようと彼の妻が懐化市で行う商いの手伝いをしていた。