「天安門の母」の中心人物 北京に戻れず NHKニュース

投稿日 :2014年5月10日

5月9日 5時43分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140509/t10014315221000.html

1989年に起きた中国の天安門事件から来月4日で25年になるのを前に、中国当局が人権派弁護士らを相次いで拘束するなか、今度は事件で子どもを亡くした母親らのグループの中心的な女性に対し、来月4日を過ぎるまで北京の自宅に戻ることを禁じました。

この女性は北京在住の元大学教師、丁子霖さん(77)です。
丁さんは、民主化を求めた1989年の天安門事件で17歳の息子を亡くし、その後、「天安門の母」という会を立ち上げ、ほかの遺族とともに、政府に対して事件の真相究明と関係者の責任追及などを訴えてきました。
丁さんによりますと、このほど、夫とともに江蘇省に滞在していたところ、治安当局から、事件から25年となる来月4日を過ぎるまで北京の自宅に戻ることを禁じられたということです。
丁さんはこれまでも、治安当局の厳しい監視下に置かれてきましたが、毎年6月4日は北京の自宅か息子が亡くなった現場で追悼してきたということで、北京にいることも認められないのは初めてです。
天安門事件から25年になることし、習近平指導部は共産党の一党支配に対する批判の高まりを極度に警戒していて、このところ、事件を記念する集会に参加した人権派弁護士や学者、それに民主化や言論の自由を訴えてきたコラムニストなどを相次いで拘束しています。